STAP現象は存在するのか? [STAP細胞]
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<STAP現象はありますか?>
素直に考えてみたい。
刺激を受けることで体細胞の一部が多分化能を獲得するという現象
つまり、STAP現象は起こりうるのだろうか?
これを最初に言ったのは小保方晴子氏なのかもしれない。
しかしその着想となるアイデアをまず提示したのは、彼女の留学先のVacanti教授である。
最初、彼は成体の体細胞の中に多分化能を持つ万能幹細胞が残存するのではないかと考えた。
どうしてこのような発想がVacanti教授の頭の中から起き上がってきたのか?
その一つのヒントは植物にある。
<植物クローンは万能細胞から生まれる。>
植物カルスとか、クローン植物という言葉をご存じだろうか?
植物の細胞は、ばらばらにして、ある条件下においてやると、細胞一つ一つから元の植物が再生することが古くから知られている。
具体的には、細胞の仕切りとなっている細胞壁を破壊する物質と、細胞の増殖を助けるサイトカニンという物質を適度に混ぜて無菌培養することでこれができる。
それほど難しい実験ではない。
最近、どうだかは知らないが、かつての中学や高校の教科書にはこれが紹介されていたし、バイオ系の専門学校では必修技術の一つでもあった。
これをすることにより、絶滅が危惧されるような希少品種であっても、植物の場合にはクローン植物を作り出すことが比較的容易である。
<動物の体の中にある幹細胞>
これに対して、動物ではこのような現象は知られていない。
体細胞を作るまでに分化した細胞が再び、ありとあらゆる細胞に分化して個体を形成できるような多分化能を獲得する可能性はほとんど知られていない。
しかし、動物でも、途中までの段階ならありうる。
脂肪細胞などを取り出してきて、いくつかの条件下で培養することで、脂肪細胞から他の筋肉や軟骨、骨などの中胚葉系の細胞の分化を誘導できることは動物でも多数報告されている。
中胚葉系幹細胞というものである。
日本人研究者の報告で、MUSE細胞というものも報告されている。
これは、SSEA-3などの未分化な細胞に発現しているマーカーを発現している細胞が皮下組織や筋肉などの中に点在し、これらが多分化能を維持しているというものだ。
これが、さまざまな状況で能力を発揮する。
たとえば、怪我をした時の組織再生や、運動負荷がかかり続けて筋肉を増やさなければならないときや、過剰な食物摂取が続いてそれを蓄える脂肪細胞が必要な時に、それらの細胞が必要な細胞の分化増殖の起点となりうるというものだ。
これはこれで、ありうるものだし、発表者の言う細胞の存在はほかの多くの研究者からも確認はされている。
<始まりは単なる選出装置の開発>
Vacanti教授は、当初はこれらの細胞を取り出す方法を開発しようとしていた。
彼は麻酔医だが、研究を学んだラボは生物系ではなくて工学系であったらしい。
多分化能を持つ幹細胞の特徴を極めることで、ダイエット手術などで大量に獲得できる脂肪細胞の中から幹細胞を高効率に取り出すことで医療応用できないかというのが最初の発想であった。
様々な報告から、幹細胞というのは細胞質の小さな、全体のサイズも小さな細胞であることが既に報告されていた。
そこで、バカンティ教授は、その小さな細胞を効率よく取り出すために、細いガラス管の中に細胞を流して、そこを通り抜けても死なない細胞だけを選出する方法を編み出した。
その方法で、確かにある程度の分化能を持つ「中胚葉系の幹細胞」を高い比率で含む細胞群をとりだすことができたのである。
<オボちゃんのアイデアは面白い。>
ここで逆転の発想が小保方晴子の頭の中で生まれる。
その作業過程を見ていた小保方とVacantiは議論の中で、実は選出過程そのものが、体細胞の幹細胞化を誘導しているのではないかと考えたのだ。
この着想を得たこと自体は素晴らしい。
ES細胞の培養などに長く携わってきた人々の頭の中からは生まれないアイデアであっただろう。
生物系の背景知識の薄い二人の議論だからこそ、生まれた発想である。
そしてそれを検証しようという実験を根気よく積み重ねたところまでも素晴らしい。
何年も何年も、失敗しても失敗しても検証実験を繰り返していた姿は、どこか山中教授のiPS細胞発見につながる愚直な実験の積み重ねに通じる部分もある。
その根気良い実験検証の結果、それを誘導する条件を見つけ出したとするのが小保方晴子がNATUREに発表したあれらの論文である。
<現実は厳しかった。その時彼女は・・・>
山梨大学の若山教授も、NATUREの論文発表直後にはこのように答えていた。
「彼女の言う細胞が存在するとはとても僕には思えなかった。でも、彼女は確信を持っているようで、実験を何度も何dも繰り返していた。普通の人ならとっくにあきらめるであるような回数の実験失敗を繰り返していた。僕も何度もその改善についてディスカッションはしたものの、実現の可能性についてはあまり期待していなかった。それだけに、彼女が持ってきた細胞が、ある日突然多能性を示したことには正直、ものすごく驚いたし、感激した。」
小保方氏が「STAP現象は誘導できる」という信念のもとで何度も実験を繰り返していたこと自体は間違いない。
それが、ある日突然うまくいくようになり、それ以降は素晴らしい再現性を持つようになったこと自体も、別に不思議ではない。
・・・だが、しかし、遠藤高帆上級研究員、山梨大学若山教授、そして神戸理研で小保方晴子の研究の検証を続ける理研の有志たち。
彼らの誰一人として、小保方晴子が断言したSTAP細胞の存在を確認することはなかった。
それどころか、出てくるのは小保方がSTAP細胞だと言っているのが既存のES細胞やTS細胞を混合して提出したものばかりであるという証拠である。
彼らだけではない。
放射性医学研究所や東京工業大学などでの確認でも、小保方氏が提出したSTAP細胞だという代物が、彼女の言ってることや書いてることと全く違う細胞であることを確認する結果となっている。
<STAP現象はあるのかもしれない。>
何度もこのブログの中で書いているし、今回も書いたけれども。
創傷治癒などで、しかも組織が大きくもげてしまうような怪我の時に、ケアの仕方が良ければ我々の体は再生する。
壊死でもげ落ちたような怪我であっても、そこに骨髄幹細胞を移植してきちんとケアをすれば、かなりの組織が再生することも知られている。
だから、STAP現象自体が存在することは否定しない。
しかし、小保方氏が言うような、オレンジジュースぐらいのpHに30分間さらしただけで体細胞が多分化能を獲得するという現象、これがあるとはやはり信じがたい。
植物のカルスを作るよりも簡単な培養条件でそれが誘導できるのであれば、これまでに繰り返されてきた様々な培養実験の過程で、そのような現象がとっくに発見されてしかるべきである。
小保方さんの提示する条件と同じ程度の環境の悪い培養条件に培養をうっかりおいてしまった生物系の学生はそれこそ何万人といるはずである。
彼らの誰一人も見つけられなかった現象を彼女だけが再現できたということの説明、何の科学的根拠も提示されていない。
(NATURE論文の画像も細胞もすべてねつ造かすり替えであったことがはっきりしているのだから)
おそらく、彼女のやり方に従う限り、STAP現象は見つからないだろう。
彼女が言うやり方をすべてリストアップして、それ以外の方法を探索することでしかSTAP現象は再現できないのではないか。
そういう意味では、彼女に参加してもらって
「これはやっちゃいけない方法」
として、新たな発想で検証実験を続けるということは科学的に意味があるのかもしれない。
あらかじめ、マイナスの実験をしないで済むというのは、消極的ではあるが、一つのメリットであることは間違いないのだから。
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<STAP現象はありますか?>
素直に考えてみたい。
刺激を受けることで体細胞の一部が多分化能を獲得するという現象
つまり、STAP現象は起こりうるのだろうか?
これを最初に言ったのは小保方晴子氏なのかもしれない。
しかしその着想となるアイデアをまず提示したのは、彼女の留学先のVacanti教授である。
最初、彼は成体の体細胞の中に多分化能を持つ万能幹細胞が残存するのではないかと考えた。
どうしてこのような発想がVacanti教授の頭の中から起き上がってきたのか?
その一つのヒントは植物にある。
<植物クローンは万能細胞から生まれる。>
植物カルスとか、クローン植物という言葉をご存じだろうか?
植物の細胞は、ばらばらにして、ある条件下においてやると、細胞一つ一つから元の植物が再生することが古くから知られている。
具体的には、細胞の仕切りとなっている細胞壁を破壊する物質と、細胞の増殖を助けるサイトカニンという物質を適度に混ぜて無菌培養することでこれができる。
それほど難しい実験ではない。
最近、どうだかは知らないが、かつての中学や高校の教科書にはこれが紹介されていたし、バイオ系の専門学校では必修技術の一つでもあった。
これをすることにより、絶滅が危惧されるような希少品種であっても、植物の場合にはクローン植物を作り出すことが比較的容易である。
<動物の体の中にある幹細胞>
これに対して、動物ではこのような現象は知られていない。
体細胞を作るまでに分化した細胞が再び、ありとあらゆる細胞に分化して個体を形成できるような多分化能を獲得する可能性はほとんど知られていない。
しかし、動物でも、途中までの段階ならありうる。
脂肪細胞などを取り出してきて、いくつかの条件下で培養することで、脂肪細胞から他の筋肉や軟骨、骨などの中胚葉系の細胞の分化を誘導できることは動物でも多数報告されている。
中胚葉系幹細胞というものである。
日本人研究者の報告で、MUSE細胞というものも報告されている。
これは、SSEA-3などの未分化な細胞に発現しているマーカーを発現している細胞が皮下組織や筋肉などの中に点在し、これらが多分化能を維持しているというものだ。
これが、さまざまな状況で能力を発揮する。
たとえば、怪我をした時の組織再生や、運動負荷がかかり続けて筋肉を増やさなければならないときや、過剰な食物摂取が続いてそれを蓄える脂肪細胞が必要な時に、それらの細胞が必要な細胞の分化増殖の起点となりうるというものだ。
これはこれで、ありうるものだし、発表者の言う細胞の存在はほかの多くの研究者からも確認はされている。
<始まりは単なる選出装置の開発>
Vacanti教授は、当初はこれらの細胞を取り出す方法を開発しようとしていた。
彼は麻酔医だが、研究を学んだラボは生物系ではなくて工学系であったらしい。
多分化能を持つ幹細胞の特徴を極めることで、ダイエット手術などで大量に獲得できる脂肪細胞の中から幹細胞を高効率に取り出すことで医療応用できないかというのが最初の発想であった。
様々な報告から、幹細胞というのは細胞質の小さな、全体のサイズも小さな細胞であることが既に報告されていた。
そこで、バカンティ教授は、その小さな細胞を効率よく取り出すために、細いガラス管の中に細胞を流して、そこを通り抜けても死なない細胞だけを選出する方法を編み出した。
その方法で、確かにある程度の分化能を持つ「中胚葉系の幹細胞」を高い比率で含む細胞群をとりだすことができたのである。
<オボちゃんのアイデアは面白い。>
ここで逆転の発想が小保方晴子の頭の中で生まれる。
その作業過程を見ていた小保方とVacantiは議論の中で、実は選出過程そのものが、体細胞の幹細胞化を誘導しているのではないかと考えたのだ。
この着想を得たこと自体は素晴らしい。
ES細胞の培養などに長く携わってきた人々の頭の中からは生まれないアイデアであっただろう。
生物系の背景知識の薄い二人の議論だからこそ、生まれた発想である。
そしてそれを検証しようという実験を根気よく積み重ねたところまでも素晴らしい。
何年も何年も、失敗しても失敗しても検証実験を繰り返していた姿は、どこか山中教授のiPS細胞発見につながる愚直な実験の積み重ねに通じる部分もある。
その根気良い実験検証の結果、それを誘導する条件を見つけ出したとするのが小保方晴子がNATUREに発表したあれらの論文である。
<現実は厳しかった。その時彼女は・・・>
山梨大学の若山教授も、NATUREの論文発表直後にはこのように答えていた。
「彼女の言う細胞が存在するとはとても僕には思えなかった。でも、彼女は確信を持っているようで、実験を何度も何dも繰り返していた。普通の人ならとっくにあきらめるであるような回数の実験失敗を繰り返していた。僕も何度もその改善についてディスカッションはしたものの、実現の可能性についてはあまり期待していなかった。それだけに、彼女が持ってきた細胞が、ある日突然多能性を示したことには正直、ものすごく驚いたし、感激した。」
小保方氏が「STAP現象は誘導できる」という信念のもとで何度も実験を繰り返していたこと自体は間違いない。
それが、ある日突然うまくいくようになり、それ以降は素晴らしい再現性を持つようになったこと自体も、別に不思議ではない。
・・・だが、しかし、遠藤高帆上級研究員、山梨大学若山教授、そして神戸理研で小保方晴子の研究の検証を続ける理研の有志たち。
彼らの誰一人として、小保方晴子が断言したSTAP細胞の存在を確認することはなかった。
それどころか、出てくるのは小保方がSTAP細胞だと言っているのが既存のES細胞やTS細胞を混合して提出したものばかりであるという証拠である。
彼らだけではない。
放射性医学研究所や東京工業大学などでの確認でも、小保方氏が提出したSTAP細胞だという代物が、彼女の言ってることや書いてることと全く違う細胞であることを確認する結果となっている。
<STAP現象はあるのかもしれない。>
何度もこのブログの中で書いているし、今回も書いたけれども。
創傷治癒などで、しかも組織が大きくもげてしまうような怪我の時に、ケアの仕方が良ければ我々の体は再生する。
壊死でもげ落ちたような怪我であっても、そこに骨髄幹細胞を移植してきちんとケアをすれば、かなりの組織が再生することも知られている。
だから、STAP現象自体が存在することは否定しない。
しかし、小保方氏が言うような、オレンジジュースぐらいのpHに30分間さらしただけで体細胞が多分化能を獲得するという現象、これがあるとはやはり信じがたい。
植物のカルスを作るよりも簡単な培養条件でそれが誘導できるのであれば、これまでに繰り返されてきた様々な培養実験の過程で、そのような現象がとっくに発見されてしかるべきである。
小保方さんの提示する条件と同じ程度の環境の悪い培養条件に培養をうっかりおいてしまった生物系の学生はそれこそ何万人といるはずである。
彼らの誰一人も見つけられなかった現象を彼女だけが再現できたということの説明、何の科学的根拠も提示されていない。
(NATURE論文の画像も細胞もすべてねつ造かすり替えであったことがはっきりしているのだから)
おそらく、彼女のやり方に従う限り、STAP現象は見つからないだろう。
彼女が言うやり方をすべてリストアップして、それ以外の方法を探索することでしかSTAP現象は再現できないのではないか。
そういう意味では、彼女に参加してもらって
「これはやっちゃいけない方法」
として、新たな発想で検証実験を続けるということは科学的に意味があるのかもしれない。
あらかじめ、マイナスの実験をしないで済むというのは、消極的ではあるが、一つのメリットであることは間違いないのだから。
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